宇宙戦艦ヤマト 復活篇」を鑑賞。様々なレヴューで“これはヒドイ”と大絶賛の嵐だったのを目にし、ある程度覚悟はしていたけど噂以上のトホホぶりでした。冒頭の“原案・石原慎太郎”だけで十分噴飯物なんだが、森雪が爆風で意味もなく裸になったり、宇宙空間で戦っているはずなのに、なぜか破片が“落下”するところとかツッコミどころ満載。しかも町山智浩が指摘していたけど、ヤマトクルーの規律の無さは酷過ぎる。特に、命令無視して波動砲を撃ちたがる戦闘班長の上条は軍法会議モノですよ。石原慎太郎の考える軍隊像ってこんなモンなのか?そして何よりも地球滅亡の危機だってのに、切迫感や悲壮感が画面から何も伝わってこないところは致命的。ラストシーンにも唖然とさせられた。TSUTAYAのレンタルだったので280円のダメージだけで済んだのが不幸中の幸い。これが映画館だったら相当の痛手となっていたはずです。


よくよく考えたら初代の宇宙戦艦ヤマトって1974年の作品。脚本の藤川桂介を筆頭に戦中派が結構関わっているからなのか、一つひとつのメッセージに物凄く説得力があったなー。海が干上がり赤茶けた地球はB-29の空襲で焼け野原となった日本を投影したものだし、遊星爆弾は原爆そのもの。乗組員たちが地球を発つ前に行進する姿は学徒出陣を連想させるし、ドメル艦隊との決戦前に全員で水杯を交わす場面に至っては言わずもがな。一方で、ガミラス人がなぜ地球を侵略しばければならないのか、その理由はしっかりと説明されていたし、ガミラス星での本土決戦がもたらした悲劇的な結末を目の当たりにした古代進が「勝利か…糞でも食らえ!」とライフルを甲板に叩きつけるなど、戦争の愚かしさもメッセージとして描かれていたよね。そんなことを思いつつ、最終的には「石原慎太郎って本当にヤマトを観たことあんのか?」とゆー結論に落ち着きました(w


その後、「Cat Shit One」も観たけど感想は、また後日。