前回の続き。「days innocent」
ストーリーは、伝統ある女子高「鳴瀞(めいせい)学院」に一人の少女が転入するところから始まります。少女の名は中司(なかつかさ)楓。生まれつき病弱だったため、あまり学校へ行けず、中学卒業後は学院の近所にある実家の神社を手伝っていました。転入のきっかけは、鳴瀞の学院長で、幼くして母を亡くした楓の面倒をちょくちょく見てきた叔母の勧めからです。人付き合いが少なく、浮世離れしたところのある楓ですが、転入早々4人の友達が出来ます。
一人目は、学院長の息子で共学化へ向けたテストケースとして学院に通う琴平睦月。れっきとした男ですが、子供の頃のとある出来事が原因で男の子をやっていく自信を無くし、普段から女の子の格好をしてます(ちゃんと胸もあるし、しかも美少女)。
二人目は中條ゆりか。土地の有力者の娘で睦月の許婚。お嬢様だけにつんけんとしたところもありますが、根はか弱い女の子です。両刀の気あり。
3人目は関西からやって来た明るい女の子・俟野あかり。学院の近くで喫茶店を営む従姉の家に下宿しています。かなり濃ゆいゲーマー。睦月との掛け合い漫才が傑作。
最後の4人目はイギリスからの交換留学生、リディア・クルス。父親は貿易商で幼少期を祖母の故郷・瀬戸内で過ごしました。そのため日本語に不自由はありません。学院教諭・篠原皐の家にホームステイ中。大人しい性格ですがその美しさ故、周囲に近づきがたい印象を与えてしまっている、ちょっと可愛そうな人です。
(因みに、姉妹である楓の母と睦月の母、そして、ゆりかの母は同い年で鳴瀞の卒業生。色んな意味で物凄く仲が良かったらしく、物語に大きな影響を与えています)。
もともと仲の良い4人でしたが、楓の登場でその関係は微妙に変化していきます。舞台が舞台だけに百合テイスト満載ですが、睦月という要素もあって一筋縄では行かないのがミソ。大人になるこで失われる純粋さへの郷愁、望郷が最大のテーマです。マニュアルの冒頭に記された「いつか、この国のどこかで、あなたの憶えている、その風景」の一節に、全てが集約されていると思います。