震災後、宮古市で活動されていた某キリスト教系団体のボランティアからお話を伺う。因みに、この方は阪神淡路でも復興支援に携わっていたそうだ。それによると、あの日から間もなく一ヶ月が経とうとしているが、現地はまだまだ地域外のボランティアを受け入れるだけの余裕はないとのこと。自己完結で生活できる、例えばフル装備の登山家とかでないと、被災地へ入っての活動は難しいという。活動そのものは被災地を隈なく回ってニーズを聞き出し、地元行政や社会福祉協議会へ伝えるという一見すると地味な取り組みだ。しかし、行政そのものの機能が低下している現状では大変重要だと指摘されていた。食料や水といった物資の不足は解消されつつある一方、思いも寄らないニーズや要望も発生している。例えば、自衛隊の仮設風呂はたびたびニュースで取り上げられているが、「せっかく風呂も替えの下着がないのでは」と入浴を躊躇う人も多いという。また、高齢な被災者は、り災証明を申請しようにも遠く離れた市役所まで通う手段がない。その他にも貴重な話を沢山伺うことができ、意義のある仕事だった。生の声に勝るものはなし。